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BCP対策に強いオフィスとは?災害に備えた物件の選び方

BCP対策に強いオフィスとは?災害に備えた物件の選び方

企業にとって、災害や予期せぬトラブルが発生した際にも事業を継続できる環境を整えることは非常に重要です。BCP(事業継続計画)は、そのための対策の一環として注目されており、オフィス選びにも大きく関わってきます。特に、災害時に事業が停止しない、または最小限の影響で済むオフィスを選ぶことが、企業のリスク管理において重要な要素となります。では、どのようなオフィスが「BCP対策に強い」と言えるのでしょうか?以下に、災害に備えた物件選びのポイントを解説します。

作成日:2024-10-16
最終更新日:2024-10-18
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1. 新耐震基準をクリアしているか

最初に確認すべきポイントは、物件が「新耐震基準」を満たしているかどうかです。新耐震基準とは、1981年に改定された建築基準法に基づく耐震基準であり、これをクリアしている物件は地震に強いとされています。地震が多発する日本では、オフィスビルがこの基準を満たしているかがBCPの第一歩と言えるでしょう。

2. 非常用発電機の設置状況

災害時に停電が発生した場合でも、オフィスが一定の期間稼働できるかどうかは重要です。
オフィスビルに設置されている非常用発電機には大きく分けて2種類あります。

■共用部のみ供給するタイプ: 廊下やエレベーターなどの共用部にのみ電力を供給し、テナント専用部には供給がない。
■共用部と専用部の両方に供給するタイプ: テナントのオフィス専用部にも電力を供給できるため、停電時でも基本的な業務が継続可能。
※ただし、切り替えにタイムラグがあるため、サーバー等一瞬でも電力が遮断されてはならない機器に関しては、バッテリーでの対策も必要です。

た、非常用発電機の設置スペースが確保されている物件も存在します。
この場合、テナントが自ら非常用発電機を設置することが可能で、BCP対策をさらに強化できます。

3. アクセスの良さと避難経路

災害時に従業員の安全を確保するためにも、交通アクセスの良さや避難経路の整備状況を確認することが大切です。例えば、交通機関が混乱した際でも徒歩や自転車でアクセスできるエリアに位置していることは安心材料となります。さらに、ビル内の避難設備や避難経路が十分に整備されているかも重要です。非常階段が十分な幅で整備されているか、避難出口が分かりやすいかなどを確認することで、災害時の安全性が高まります。

4. 防災備蓄設備やセキュリティシステム

長期的なBCP対策を考えるなら、防災備蓄設備の有無もチェックしておくべきです。災害後の混乱時に備え、飲料水や非常食、簡易トイレなどが備蓄されているオフィスは、従業員が一時的にオフィス内に留まる必要がある場合でも安心です。また、セキュリティシステムがしっかりしている物件は、災害時や混乱時に不正アクセスや情報漏洩を防ぐ点でも有利です。

5. 管理会社やオーナーの対応力

物件を管理する管理会社やオーナーの災害時対応力も非常に重要です。24時間警備体制がしっかりしていたり、定期的に防災訓練等を行っているビルはこの点においてポジティブと言えます。耐震性のように、具体的な基準の設けられている要素ではありませんが、この点に力を入れている管理会社やオーナーなどは、独自のスタンを持っていたりします。逆に、安かろう悪かろうのビルには、こういった配慮がなかったりします。

6.立地の災害リスク

BCP対策の強いオフィスを選ぶ際に、物件自体の性能だけでなく、その立地における災害リスクも重要な要素です。地震や洪水、火災など、さまざまな災害が考えられますが、地域ごとの災害履歴やリスクマップを確認することで、災害に強い立地かどうかを判断することが可能です。

■洪水や浸水リスク
大阪のような都市部では、河川の氾濫や高潮による浸水リスクが問題となるエリアがあります。自治体や国が提供するハザードマップを活用して、物件の所在エリアが浸水リスクの高い地域にあるかどうかを確認しましょう。地盤の強さや水害に備えた排水設備の整備状況なども、評価ポイントの一つです。

■地震時のリスク
物件がどのような地盤の上に建っているかも、地震時の被害を左右する要素です。特に液状化のリスクが高いエリアでは、地震の影響が大きくなる可能性があります。選ぶオフィスビルが新耐震基準を満たしていても、周辺のインフラが被災しやすい場所にあると、交通網やライフラインの復旧に時間がかかる可能性があります。

■防災計画や設備
立地の災害リスクを評価したうえで、自治体や地域の防災計画も確認することが重要です。防災拠点に近い場所であれば、災害発生時の支援が受けやすく、避難経路の確保がしやすい点がプラスとなります。ビル自体が防災拠点や避難場所に指定されている場合も、BCP対策として優れた選択肢となるでしょう。

立地は、BCP対策の面で重要な役割を果たします。災害の影響を最小限に抑え、事業継続性を高めるためにも、物件の所在地をしっかりと確認することが大切です。
とは言え、大阪の中心である梅田などは、まさに水害に弱いエリアとなっています。
災害リスクの考慮は非常に重要ですが、この点のみで立地を選び、オフィス自体の利便性を損なってしまうと本末転倒です。
上手く拠点を分散させるなどして、上手にリスクと利便性のバランスを取ることが重要です。

■各エリアのハザードマップはインターネットで簡単に確認することが出来ます。
例:「大阪市西区 水害ハザードマップ」などで検索していただければ出てきます。

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